(1)農家の事業承継にあたっての認定農業者の申請ーその手続きと家族経営協定ー

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認定農業者申請の概要

移譲者が認定農業者であった場合、その農業経営を農業後継者が承継するにあたって、承継者も認定農業者となることで、移譲者が認定農業者であることによって受けることのできる支援施策等のメリットを、経営移譲後も承継者が継続することができます。

認定農業者になるためには、「農業経営改善計画」を作成して市町村に提出し、認定を受けます。認定基準は市町村の基本構想に定められており、これを満たす必要があります。
なお、経営移譲前に、移譲者と承継者の共同申請によって、承継者も認定農業者となっていることが、より望ましいでしょう。

近年の申請方法や運用の変更

平成29年度から、複数市町村に申請する場合の簡略化や、認定手続きの処理期間や却下理由等の「見える化」など、運用改善が行われました。

令和2年度から複数市町村で農業を営む農業者が経営改善計画の認定を申請する場合は、市町村に代わって営農区域に応じて都道府県または国が農業経営改善計画を一括で行うこととなりました。

また、令和2年4月から、農林水産省共通申請サービスにおいて、国又は都道府県に申請するものについては、電子申請が可能となりました。

申請手続き

区分移譲者承継者書類名申請先様式電子申請
ー添付書類等
認定農業者の申請
(単一市町村)
農業経営改善計画認定申請書市町村
ー同意書
家族経営協定
単一都道府県都道府県
複数都道府県地方農政局
複数地方農政局農林水産省

◆様式掲載サイト:農林水産省 > 経営 > 担い手育成 > 認定農業者制度について
◇電子申請サイト:農林水産省共通申請サービス

農業経営改善計画の認定基準

  1. 計画が市町村基本構想に照らして適切なものであること
  2. 計画が農用地の効率的かつ総合的な利用を図るために適切なものであること
  3. 計画の達成される見込が確実であること

農業経営改善計画書の記載内容

  1. 経営規模の拡大に関する目標(作付面積、飼養頭数、作業受託面積)
  2. 生産方式の合理化の目標(機械・施設の導入、ほ場の連担化、新技術の導入など)
  3. 経営管理の合理化の目標(複式簿記での記帳など)
  4. 農業従事の様態等に関する改善の目標(休日制の導入など)

共同申請

共同申請の要件

配偶者や後継者など、農業に従事する複数の家族世帯員の共同で申請する場合は、「家族経営協定」が締結されており、その農業経営から生じた収益配分と経営方針決定への参加が明確化されていおり、かつ協定が遵守されていることが要件となります。

その他、申請者が全て同一の世帯に属する者であること(かつて同一世帯だった者も含む)等。

家族経営協定とは

家族経営協定とは、家族農業経営に携わる各世帯員が、経営に参画できる農業経営を目指し、経営方針や役割分担、就業環境などについて、家族間の十分な話し合いに基づき取り決めるもの。

農林水産省「家族経営協定」

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