生産緑地制度の仕組み

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生産緑地地区の指定

地区に指定できる土地は、原則市街化区域内の500m²以上の農地等と法令で規定されていて、これに加えて、市が条例で要件を緩和することや、逆に要件を厳しくすることも可能となっています。

生産緑地地区指定の流れ

まず、農地等所有者が自らの意思で、市に対して指定希望を申し出ます。

これを受けて、要件を満たすか審査のうえ原案を作成し、都市計画審議会を経て、生産緑地地区が都市計画決定される流れとなります。

生産緑地地区指定の流れ

生産緑地地区の法定要件

市街化内にある農地等で、次の条件に該当する一団の農地

  • 公害または災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の用に供する土地として適している
  • 500m²以上の規模
  • 農林漁業の継続が可能な条件を備えている

「農地等」とは

  • 現に農業の用に供されている農地もしくは採草放牧地、現に林業の用に供されている森林又は現に漁業の用に供されている湖沼
  • これらに隣接、かつ一体となった農道や水路を含む

一団の農地とは

  • これまでは、農地が道路や水路等で分断されている場合、その幅員は6m以下などとして運用されてきた。
  • 2017年の運用改正で、同一又は隣接する街区内に複数の農地がある場合、一団の農地等とみなして、生産緑地を指定することが可能になった。ただし、個々の農地は100m²以上。

生産緑地にかかる行為制限

生産緑地に指定されると、固定資産税が農地並みに軽減される一方で、農地としての適正な管理と保全が義務づけられ、建築物の建築や宅地の造成等、農地以外の利用などの行為が制限されます。

営農に必要な農業施設をはじめ、直売所や農家レストラン等は、許可を受けて設置できます。

農地としての適正な管理・保全義務とは

  • 「生産緑地地区」と書かれた標識を必ず設置する
  • 農業のために耕作、あるいは肥培管理をしなくてはならない
  • 容易に生産活動を再開できる状態であれば、休耕したり、保全管理(管理耕作)することも認められる。
  • 市(生産緑地担当課又は農業委員会)が、定期的に生産緑地をパトロールし、適正な管理・保全が行われていない場合は、助言や指導が行われる

行為制限:市長の許可が必要(原則禁止)

  • 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
  • 宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更
  • 水面の埋め立て又は干拓

許可不要なもの

  • 公共施設の設置もしくは管理に係る行為
  • 非常災害のための必要な応急措置として行う行為
  • 下記のうち、①と②に該当するもので、床面積又は築造面積が90m²以下のもの

市長の許可を受けて設置可能なもの(原則許可)

①農産物の生産・集荷施設
②農業の生産資材の倉庫等
③農産物の処理・貯蔵のための共同施設
④農業者のための休憩施設
⑤市民農園の附帯施設
⑥製造・加工施設(※)
⑦農産物直売所(※)
⑧農家レストラン(※)

※当該生産緑地及び周辺地区内で生産された農産物等を主原料とする等の要件あり。

買取り申し出と行為制限の解除

生産緑地の指定から30年、特定生産緑地の指定から10年が経過したとき、主たる従事者が死亡又は故障等により営農継続ができなくなったときは、市長に対して買取り申し出ができます。
買取り申出をした農地を、市が買い取ることはごく稀で、多くは3ヶ月以内に行為制限が解除され、宅地への転用等が可能となります。

買取り申し出の流れ

買取り申し出フロー

買取り申し出ができるケース

  • 生産緑地地区に指定されてから30年が経過したとき
  • 特定生産緑地に指定されてから10年が経過したとき
  • 主たる従事者が死亡したとき
  • 主たる従事者が故障により農業に従事することが不可能になったとき(医師の診断書等が必要)

主たる従事者とは

農業委員会が農家台帳等をもとに主たる従事者か否かを判断し、証明書を発行します。

  • 中心となって農業に従事している者で、その者が従事できないと生産緑地における農業経営が不可能とみなされる者
  • 1人とは限らず、従事日数が65歳未満は8割以上、65歳以上は7割以上の者も含む
  • 都市農地貸借円滑化法等による貸借の場合、1割以上の従事で主たる従事者とみなされる
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