農林水産省「農地法制の在り方に関する研究会」を開催、食料安全保障の視点からも議論
農林水産省は、農地法制の在り方について検討するため、「農地法制の在り方に関する研究会」が設置された。
今回は、食料・農業・農村基本法の見直しに合わせ、農地法制についても改正を視野に議論される。
農地法制に関しては、永らく同じ議論が繰り返されてきた。企業など既存農家以外の主体による農地の権利取得や、優良農地の確保と転用規制、耕作放棄地の発生抑制などである。
今回はこれらに加えて、輸入穀物価格の上昇や食料安全保障、農地で太陽光発電を行う営農型太陽光発電が普及したことに対する一定の規制など、社会情勢の変化を受けた議論を行う。
これまでも国による農地法制に関する議論は、何十年にもわたり同様の課題が掲げられる中で、微修正で対応してきた形だ。今回もおそらく、大きな転換が起こるとはあまり考えられない。
しかし、国際情勢の不安定化から、食料安全保障の視点が重要視される一方で、農業従事者の大幅な減少が見込まれる状況において、どのような議論が行われるか、注目していきたい。
穀物の国際価格の高騰や各国の食料輸出規制等による世界の食料事情の不安定化、多様な主体による農地利用、営農型太陽光発電の普及、産地と連携し原料確保を志向する食品産業の増加など、現下の農地をめぐる情勢は著しく変化しています。
2022/12/9 農林水産省プレスリリース「農地法制の在り方に関する研究会」(第1回)の開催について
こうした中、今後の農地法制の在り方について、具体的な検討を進めるため、農地制度やこれらの問題に精通した有識者等の意見を幅広く聴取することを目的として、農地法制の在り方に関する研究会を開催します。
第1回の研究会は、12月12日に非公開で開催された。研究会の配布資料および議事概要は、同省のホームページに掲載される。