令和元年度「土地問題に関する国民の意識調査」が公表
5.資産としての土地
資産としての土地に関して(図 8)、「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産である」ちいう考えについて、「そう思わない」が45.3%と「そう思う」(27.1%)を18ポイント以上上回った。
かつては“土地神話”と言われたように、土地が非常に有利な資産と広く認識され、バブル経済崩壊直後の平成5年度及び6年度で「そう思う」が60%を越えていたが、その後の地価下落とともにこの割合も急速に下落した。平成10年度以降「そう思う」と「そうは思わない」が拮抗し、リーマンショックの平成21年以降は「そうは思わない」が「そう思う」を上回る状況が続いていたが、今回はこの差が大きく開いた形となった。
近年全国的にも地価は下げ止まり、大都市部等を中心に上昇傾向も広まっているが、それでも土地は有利な資産ではないと意識が強まっている。
また、人口規模別に見ると(図 9)、人口規模が小さいほど「そうは思わない」割合が多くなっている。
6.身近に感じる土地問題
日頃、土地に関して身近に感じる土地問題については(図 10)、「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」が39.9%と最も高く、次いで「老朽化した建物の密集等、災害時の不安が大きいこと」(30.4%)、「手入れされていない農地や山林が増えていること」(22.0%)などとなっている。
さらに、空き地が増えることについて、どのようなことが問題と感じるかについては(図 11)、「ゴミの不法投棄」が60.3%と最も多く、「雑木・雑草の繁茂」(56.0%)、「不審者の侵入や放火」(48.8%)、「害虫の発生や野良猫などの集中」(41.8%)などとなっている。
このように、管理されない土地や建物が増え、土地や家を所有することは負の財産にもなりかねないというマイナスイメージが、家や土地の所有意向の低下にもつながっていると考えられる。