令和元年度「土地問題に関する国民の意識調査」が公表
国土交通省は6月、令和元年度「土地問題に関する国民の意識調査」の結果を公表した。これによると、人口規模が大きな都市を中心に、一戸建て持ち家志向が一層薄れており、人口規模が小さい市町村を中心に、「土地は有利な資産」とは思わない傾向がより一層強まっていることがわかった。
1.住み替えの有無
過去10年間の住み替えの有無については(図 1)、「移転したことがある」が全体で26.9%となっている。
「移転したことがある」割合について、人口規模別に見ると人口が多いほど多く、政令指定都市では35.0%を占めているが、町村では14.8%と少ない。
住居形態別に見るとでは、賃貸住宅では63.1%と非常に多いが、持ち家では19.5%と少ない。
2.住まいの立地の希望
住まいの立地として重視するものについては(図 2)、「住み慣れた場所であること」(1番目に重視35.2%)と「日常の買い物など、生活の利便性が高いこと」(1番目に重視28.2%、2番目に重視22.4%)の2つが特に多い。そのほか、「駅などの公共交通施設に近いこと」、「職場に近く、通勤時間が短いこと」、「近所に親や親族などがいること」などが続いている。
このように、住まいに生活や通勤の利便性を求める一方で、住み慣れた場所が重視されるなど、これまでと大きく生活を変えたくないといった意向も非常に強いことがわかる。
また、これに関連して、住み替える場合に希望する地域については(図 3)、全体では「都心・中心市街地・まちなか」が44.9%、「田舎・郊外地」が25.3%となっている。
また、人口規模が大きいほど、年齢が高いほど「都心・中心市街地・まちなか」を望んでいる傾向が見られる。
なお、この調査は令和元年の11月~12月に実施したもので、その後のコロナ禍の影響を受けて、田舎・郊外地のニーズが高まっているかも知れない。